知らないと法律違反に ドローンに関わる法律と覚えておくべきポイント
本日のコラムは、ドローンライフをスタートさせるにあたって、知らなければならない
基本中の基本。法律について考察して参りましょう。
何を隠そう、ドローンを飛ばすこと自体に免許は必要ありません。
但し、様々な法規制が存在し、そのことをしっかりと理解し、
ドローンライフを始めないと大変なことになります。
ここでは、出来る限りかみ砕いて、ご説明させて頂きます。

1)航空法
まずは航空法についてです。
国土交通省が定める無人航空機の定義とは、
飛行機、回転翼航空機、滑空機、飛行船であって、構造上人が乗ることが
出来ないもののうち遠隔操作又は自動操縦により飛行させることができるもの
(但し200g未満の重量は除く。2022/6/20からは100g未満)になります。
いわゆる、ドローン、ラジコン機、農薬散布用ヘリ等が該当します。
これらの無人航空機において、衝突による被害を防止するために、
飛行させる場合に、国土交通大臣の許可を要する4つの空域というのを定めています。
それらを一つずつ見ていきましょう。
A)地表または水面から150m以上の上空
B)空港等の周辺の上空
こちらの定義は少々複雑になっています。なぜならば、
旅客機は空港を起点として徐々に上昇下降していくという航路を
たどるため、空港に近接する地点と離れた地点とは、規制される高さが
異なるからです。
要は空港を中心としたすり鉢状の空域について規制が及ぶというイメージで
ご理解ください。
C)緊急用無用空域
具体的には災害等が発生した場合に、消防、救助、警察業務その他の緊急要務を行う
航空機の飛行の安全を確保する目的で定められた規制空域になります。
D)人口集中地域の上空
都市部はほぼ該当しますね。
それでは、どのようにして、人口集中地域を調べるのでしょうか。
それは、国土地理院HPの「地理院地図」をご覧頂くと一目瞭然。
地図に現れた赤い箇所が人口集中地区ということになります。
続きまして、
航空法上の飛行の方法に関する規制です。
飛行の方法に関しては、10通りの規制が定められています。
そして、大きくは
「例外なく禁止・遵守が求められる規制」と、
「国土交通大臣の承認があれば、例外的に許容される規制」に分けることが
出来ます。
それでは、その二つを順を追って見ていきましょう。
例外なく禁止・遵守が求められる規制は
E)飲酒時の飛行禁止
F)飛行前の点検
飛行に支障がないこと、その他飛行に必要な準備が整っていることを
確認した後でなければ無人航空機を飛行させることはできません。
G)衝突予防の遵守
無人航空機を飛行させるに当たっては航空機・他の無人航空機との衝突の予防を
する措置を採ることが求められます。
H)危険な飛行の禁止
飛行上の必要がないのに高調音を発し、急降下するなど他人に迷惑を及ぼすような
飛行方法は禁止されます。
国土交通大臣の承認があれば、例外的に許容される規制
I)夜間飛行の禁止
J)目視外飛行の禁止
K)人・物件から30m未満の飛行禁止
L)催し場所での飛行禁止
多数の人が集まる催しが開かれている場所でのドローンでの飛行は
人との接触の危険性、衝突の危険性が高まります。
M)危険物輸送の禁止
ドローンが危険物を輸送する場合、危険物の漏出や、危険物の爆発物によるドローンの墜落
という危険を伴うこともあります。
N)物件投下の禁止
ドローンから物件を投下する場合、下にいる人をぶつけたり、ドローン自体が
バランスを崩して墜落したりする恐れがあります。
そして、上記の、国土交通大臣の許可・承認にあたっては、
①機体の機能及び性能(機体)、
②飛行させる者の飛行経歴・知識・技能(操縦者)
③安全確保体制についても審査基準が設けられています。
審査基準については、国交省ホームページに
こちらに詳しく記載されています。こちら。
①機体の機能・性能について
②操縦者の飛行経歴・知識・技能について
ちなみに、弊社はDPA回転翼3級とUTC農業ドローンオペレーターライセンスを取得可能です。
それらの技術知識経験の証明になります。
③安全確保体制
ドローンの安全な飛行を実現するためには、運用面でも安全な飛行を
担保できる仕組みを整える必要があります。
そこで飛行許可の申請に当たって、以下のような運用を可能とする仕組みが
求められています。
そして、国土交通省はそれらを実現するための指針となる
「航空局標準マニュアル」を作成してくれています。
※安全確保の体制の構築
※飛行マニュアルの作成
※無人航空機の点検整備
※飛行記録の作成
※飛行実績の報告
※事故等の報告
そして、航空法以外のその他の規制。こちらもいろいろあります。
2)航空法以外の法律
小型無人機等禁止法・・・・ドローンがテロ等に悪用されないように、国政の中枢機能や良好な国際関係
、公共の安全を確保する必要があります。
そのため、国会議事堂や主たる官公庁、原子力発電所や政党事務所の周辺地域の
上空でドローンを飛行させることは原則として禁止されています。
条例・・・・・地方自治の観点から地方公共団体が独自に、条例でドローンの飛行を規制することがあります。
この場合、たとえ、航空法に定める国土交通大臣の許可・承認を備えていても、条例の規定に
服することがあります。
民法207条・・・・私有地上空の飛行300m以内を飛行する場合、土地所有者の許可が必要です。
電波法・・・・・電波を発する無線機器は、総務大臣の免許を受けて使用するのが原則です。
製品購入時には外での使用可能かどうか、要確認。
プライバシー関連・・・人間の撮影をすると、肖像権侵害になる場合がある。
民家や人が映り込む可能性がある場合は先に了承を得ること。
3)航空法の適用除外
・屋内での飛行・・・・仮に無人航空機の操縦を誤ったとしても、屋内であれば、屋外を飛び出し
第三者へ危害与える恐れは少ないと考えます。
・100g未満のラジコン・マルチコプター・・・100g未満のラジコン、マルチコプターは
墜落・衝突による被害は極めて限定的あると
考えられるため、無人航空機から除外されています。
・捜索、救助のための特例・・・・国、地方公共団体又はこれらの依頼を受けた者が、事故災害に際し
捜索救助のためにドローンを飛行させる場合には、許可承認の必要は
ありません。
様々な法律をしっかりと理解し、許可や承認を受けたうえで、ドローンを飛行させること、
これが絶対必要になります。