太陽光パネルにドローンを活用するメリット
もくじ
はじめに
太陽光パネルを長期的に運用すると、様々な要因から少なからず性能劣化や異常が発生します。そのため、定期的な太陽光パネルの点検によって発電効率の低下を早期に発見し、発電量を高い水準で維持することが大切なのです。
日本最大級の公的研究機関である産総研は、太陽光パネルの性能は経年劣化によって1年で0.47~0.87%程度(太陽光パネルの種類によって変動)低下する研究を発表しています。その他、突発的な故障や異常が発生すると、太陽光パネルの発電効率はさらに低下してしまうのです。
ドローンによる太陽光パネル点検とは、ドローンからの空撮(熱検知カメラと普通のカメラ)を使った点検です。上空からの映像は広範囲で見晴らしが良いため、短時間で見落としなく点検を行うことができます。
太陽光パネルは長期に渡って使い続けるものなので、故障の早期発見や定期的なメンテナンスのために点検は不可欠です。しかし、従来は地上から人の手で点検を行わっていたため、特に大型の発電所などでは多くの人員や長い点検期間、高額な費用が必要でした。
そこで、点検に用いられるようになったのがドローンです。ドローン点検では、ドローンを使って空からの一気に広範囲の太陽光パネルを点検します。そして、異常が発生している箇所があれば、実際に人間が現場に行って点検・修理を行うのです。
この記事では、そんなドローンによる太陽光パネルの点検について、メリットや点検方法の他にも売電についてを紹介していきます。
太陽光発電の売電について
太陽光発電で発電した電気の使い道は、「売電」と「自家消費」になります。
今回は「売電」について説明していきます。
売電には制度があり2022年3月31日までは「FIT制度」という制度でしたが2022年4月1日からは「FIP制度」が開始されました。
FIP制度とは、再生可能エネルギー発電事業者が卸電力取引市場や相対取引で売電したとき、その価格に一定のプレミアム(補助額)が上乗せされる制度です。FIPとは「フィードインプレミアム(Feed-in Premium)」の頭文字をとってつけた名称です。
再エネ事業の自立化を促進しつつ、支援する目的で2012年に導入されたのが「固定価格買い取り(FIT)制度」です。FIT(フィードインタリフ、Feed-in Tariff)制度とは、再生可能エネルギーの電気を、電力会社が一定価格で一定期間、買い取る制度を言います。このFIT制度によって、太陽光発電を中心に再エネは急拡大することになります。
2021年10月22日に閣議決定された「第6次エネルギー基本計画」においては、2030年度までに再生可能エネルギーを日本の主力電源とし、全電源の36~38%をまかなうことが目標として掲げられています。この大きな目標を達成するために、FIT制度の弱点を補い、さらなる再エネの普及を目指す仕組みがFIP制度なのです。
FIT制度とFIP制度との違いを表にまとめました。
FIT制度 | FIP制度 | |
売電収入 | ・どの時間帯に発電しても価格は同一 ・全量買取が保証される(一部出力制御あり) |
・卸電力取引所、または相対取引で売電 ・プレミアムによりFITと同程度の収益 |
インバランス | インバランス特例によって免責 | ・発電計画値の報告が義務付けられる ・発電計画値と実績値が異なるとペナルティーが課せられる |
非化石価値 | なし | 取引可能 |
メリット | 事業者の経営が安定する | ・売電先を複数から選択できるなど、 多様なビジネスモデルが期待される ・消費者の負担が軽減される |
デメリット | ・消費者の負担が大きい ・市場とかけ離れた発電が発生 |
インバランスリスクなど事業者への 一定の負担 |
ドローンを活用するメリット
前節のように太陽光発電により収益を上げたり、自家消費を行うことで光熱費を抑えることができます。
しかし、これはあくまで正常な太陽光パネルを使って発電した場合に限ります。
では、どうすれば長い間正常な状態を保つことができるのか。それは点検を行い、以上を早期発見することです。
そこで近年、注目されている点検方法が「ドローン」を使った点検です。
ではドローンを使った点検のメリットを見ていきましょう。
きつい作業から解放
太陽光パネルの点検は以前は、人が手に赤外線カメラを持って手作業で時間をかけて行います。
ドローン点検では、上空からの映像を用いて一度に広範囲の太陽光パネルを点検できるため、従来よりも作業時間を短縮することができます。従来は一つ一つの太陽光パネルを見て回っていたため、点検には長い期間を要しました。
点検費用
従来の太陽光パネルの点検は、多人数で地上から点検作業を行います。従来の方法では、時間が掛かる上に人員が多い為、費用がかさんでしまう。
ですが、点検方法をドローンに変えると、上空からの映像を用いて一度に広範囲の太陽光パネルを点検できるため、従来よりも作業時間を短縮することができます。人員は場所によっては1~2人で作業を行えるため、費用を抑えることができる。
精度
ドローン点検では、見晴らしの良い上空からの映像を用いて太陽光パネルの点検を行うため、従来よりも精度良く点検を行うことができます。従来は地上から人の目で点検を行っていたため、どうしても見えづらい箇所がありました。ドローンですと常にパネルに対して平行を保つことができるので制度が安定します。
ドローンは俯瞰した広範囲の撮影だけでなく、太陽光パネルに接近して撮影することもできるため、より詳細に現場の状態を確認することもできます。
また、撮影するカメラには可視光カメラと赤外線カメラが付いています。一度の撮影で二種類の映像を取ることができるので、太陽光パネルの発電量が低下する「環境要因」、「経過要因」を見つけることができ無駄がないです。
点検結果の確認
ドローン点検では、点検結果を画像や報告書だけでなく、映像でも残すことができます。
報告書にドローンで撮影した高精度な画像を載せることができるのでよりわかりやすいものを作成できる。
異常が発生した場合、過去の点検履歴を遡って時間経過を確認することができるのです。
ドローンを活用上でのデメリット
ドローンを活用するにあたってメリットもありますが、その反面デメリットも存在します。
デメリットは、天候・気温に影響を受けやすいことです。
雨・雪が降っている日は飛行できないですし、5m/sの風が吹いていても飛行できないです。
また、気温が高すぎるとパネル上の温度に差が無く、異常個所の判断が難しく、見落とす可能性があります。
また、基本的にメガソーラーが置かれている場所は広い場所が多いので該当しない場合が多いですが、
法によって飛行させることができない区域がある場合があるので注意が必要です。
ですので、点検依頼する場合は飛行できる場所であるか確認し、点検の予備日を確保する必要があります。
まとめ
様々な業界でドローンを取り入れた業務が増えつつあります。
作業の効率化や人員不足の解消、リスク削減のために取り入られることが多いです。
太陽光パネル点検もその一つです。
屋外に設置している太陽光パネルは不具合が発生することも多いため、定期的な点検が重要となります。点検期間・コスト・精度で多くのメリットがあるドローン点検は、今後拡大していくことでしょう。
本校では、太陽光パネルの点検はもちろん、外壁点検、農薬散布代行、スクールなど
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