ドローンはどう選べばいい?ドローンの選び方とおすすめ機体
もくじ
1.ドローンを選ぶとき重視するポイント
1.1.操作性の良さ
ドローンの操作は非常に複雑です。操作に慣れていない場合には、少しでも操作を簡単にする機能がほしいところ。飛ばしやすい工夫があるものを選んでみましょう。
ドローンを空中で静止させるホバリングは、安定して機体を飛ばすために必要なテクニック。それを自動で行ってくれるのが「高度維持機能(オートホバリング)」です。気圧センサーなどを使用して空中で静止するので、操作に慣れていない初心者には必須の機能といえるでしょう。
また、「GPS搭載」なら高度の維持だけでなく横ブレにも強くなります。人工衛星からの位置情報を使用することで、風に流されることなくその場をキープするように姿勢を自動制御。あとは、コントローラーのスティックを前後左右に動かすだけで、誰でも安定した水平飛行が可能です。
1.2.カメラ性能の高さ
ドローンを飛行する目的は様々かもしれませんが、多くの方は「ドローンによる空撮がしたい」と考えているのではないでしょうか。
昨今では、youtubeを始めに動画コンテンツでも空撮映像が使われることが増えてきました。それに伴い、ドローンのカメラ性能はハイクオリティなモノが必要になってきています。
では、どれくらいの性能が必要になるかというと、4K以上の対応カメラが搭載されているドローンです。4Kの画質があればテレビでも画質のよさを保つことができるからです。
1.3.重量
なぜ、重量を気にするのかわらない方もいるかもしません。
なぜなら重量がある機体は安定しやすいからです。機体が安定すると、必然的に操作がしやすくなり、安心して飛行することができます。
重量が軽い機種の場合、風が強い日には十分に飛行できないので、ハイクオリティな映像撮影をされたい方、安全に飛行されたい方は予算が許す限り重量のあるドローンを選択することをおすすめします。500g以上だと安心しやすいかと思います。
それほど高い高度で飛ばさないということでしたら、軽量なドローンを選んでもいいかもしれません。
1.4.飛行時間
長時間のフライトが多い方は、バッテリー容量が多いドローンを選ぶことをオススメします。飛行可能時間が短い場合には空撮の途中でもすぐにバッテリーが切れてしまうこともあります。
空撮の仕方は人それぞれですが、中にはドローンを飛ばして映る映像を元に画角などを決定する方もおられると思います。すぐにいい画が決まればいいですが、決まらないこともあると思います。その場合少しでも長い時間飛ばすことができる機体を選ぶ方がいいかもしれません。
複数のバッテリーを持ち運ぶのであれば選ぶ基準の優先度は下がると思います。
1.5.持ち運びやすさ
持ち運びやすさは重要です。空撮を楽しむ方は遠出する方が多いと思います。少しでもコンパクトに持ち運ぶことができるほうが他の荷物を持つ余裕が出て、旅行などではお土産を持って帰る余裕ができますよね。
折りたたみ式ドローンを選べばドローンをコンパクトに持ち運ぶことが可能。中には、上着のポケットに入れることもできるものあります。
2.ドローンの規制について
2.1.航空法による規制
現在は、ドローンの飛行には免許や資格は必要ありません。しかし、200g以上の機体は航空法の「無人航空機規定」にも適用され、飛行禁止区域が定められているので注意しましょう。
無許可で飛ばすと航空法に触れる、場所や飛行方法が7つあります。
①空港周辺②150m上空③人口密集地区(DID)④夜間飛行⑤目視外飛行
⑥人、車、建物の30m未満⑦イベント会場上空⑧危険物の輸送⑨物件への投下⑩緊急用務空域
上記の条件下でドローンを飛行させることは禁止されています。ドローンを飛行させる前は、そこが飛ばしても良い場所と状況なのかを確認して飛行させるようにしましょう。
また、200g未満のドローンを飛ばす場合でも、空港や国の重要施設の近くを飛行させてはいけないという、小型無人機等飛行禁止法が適用されます。法律や条例を確認したうえで安全に飛行させるように心がけましょう。
2.2.航空法以外による規制
ドローンに関する法令は、航空法だけでなく、道路交通法77条、民法207条、電波法などがあります。
よって、航空法で規制されている空域以外にも飛ばしてはいけない空域があります。
例としては、下記のようなものがあります。
①国の重要な施設、外国公館、原子力事業所等の周辺②私有地の上空
③条例による制限④電波法に触れる行い⑤道路からの離着陸
他にも地域によっては航空法では規制されていないが飛ばしてはいけない場所があったりしますので、
飛行させる前までに飛ばしていい場所なのかどうか確認するようお願いします。
また、航空法は知っていたけど他は知らなかったでは許されないですのでしっかり把握して置きましょう。
2.3.その他の注意点
法以外にも国土交通省が作成した飛行マニュアルがあります。こちらは、飛行許可を得る為に申請する際に飛行マニュアルを提出する必要があり、国土交通省が作成したものか自作したものを提出する必要があります。このマニュアルは法とは別に守る必要があります。
国土交通省が作成したルールには例として下記のことが書かれています。
①第三者の往来が多い場所や学校、病院等の不特定多数の人が集まる場所の上空やその付近での飛行を禁止
②高圧線、変電所、電波塔及び無線施設等の上空やその付近での飛行を禁止
③高速道路、交通量が多い一般道、鉄道の上空やその付近での飛行を禁止
他にも飛行マニュアルには書かれており、法とマニュアルを守りながら飛行させる必要があります。
皆さんが楽しく飛ばすためにもルールを守りましょう。
3.オススメDJI社製ドローン
今回はドローンを販売するメーカーでも一番人気を誇るDJIの機種を紹介したいと思います。DJIは中国・深センに拠点を構えるドローンメーカーで、世界中のドローン愛好家から支持されています。今回はそのDJIが提供するドローンを紹介したいと思います。
3.1.DJI Mini 3 Pro

これまでの日本仕様199g(規制が少ない「模型航空機」の定義)ではないものの、デザインを一新、249gの超軽量コンパクトサイズで上位機種に迫る高性能を搭載したDJI Mini3 Pro
スペックを紹介します。
機体 | DJI Mini3 Pro |
重量 | 249g |
サイズ | 収納時(プロペラなし):145×90×62mm 展開時(プロペラあり):251×362×70mm |
最大飛行速度 | 16m/s(Sモード)、10m/s(Nモード)、6m/s(Cモード) |
最大飛行時間 | 34分(インテリジェント フライトバッテリー使用時) 47分(インテリジェント フライトバッテリー Plus使用時) |
センサー | 1/1.3インチ CMOS、有効画素数:48MP |
レンズ | FOV:82.1°、35mm判換算:24mm、絞り:f/1.7 |
ISO感度 | 動画:100~6400(オート)、100~6400(マニュアル) 写真:100~6400(オート)、100~6400(マニュアル) |
最大静止画サイズ | 4:3:8064×6048(48MP) 4032×3024(12MP) 16:9:4032×2268(12MP) |
動画解像度 | 4K:3840×2160 24/25/30/48/50/60fps 2.7K:2720×1530 24/25/30/48/50/60fps FHD:1920×1080 24/25/30/48/50/60fps スローモーション:1920×1080@120fps |
とてもMiniシリーズとは思えないほどの高スペック。
何といっても飛行時間の延長が注目のポイントです。インテリジェントフライトバッテリーPlusを使うことでMavic3を超える最大47分の飛行が可能で、パイロット側のほうが先に疲れて着陸させたくなるレベルの飛行時間です。
今までになかったジンバルを縦向きに回転できるので、縦長の被写体を撮ったり、画角をそのままスマートフォン向けSNSやyoutubeのショート動画などに投稿することもできます。
初心者でも扱いやすく、上級者でも満足できる機体がDJI Mini 3 Proと言ってよいでしょう。
3.2.Tello
模型航空機の部類に入る「Tello」
2022年6月20日以降の法改定後の100g以上に該当しない為、今後も飛ばす場所を探しやすく、
初心者にも優しい機体です。
スペックを見ていきましょう。
機体 | Tello |
重量 | 80g |
サイズ | 98×92.5×41mm |
最大飛行速度 | 8m/s |
最大飛行時間 | 13分 |
最大飛行距離 | 100m |
最大飛行高度 | 30m |
視野角(FOV) | 82.6° |
最大静止画サイズ | 5MP(2592×1936) |
動画解像度 | HD720p30 |
Telloは純粋にDJI社が開発したドローンではなく、Intel社との共同開発により、「Ryze社」から開発されています。
トイドローンとしては飛行時間が長いですが、より飛ばしたい場合は予備バッテリーが必要になります。
カメラ性能はジンバルはなく、映像は4Kとまではいきませんがそれなりの画質で撮影できます。
プログラムを組み込むことができるので子供へのおもちゃ兼プログラミング勉強のプレゼントとしてもオススメです。
また、ドローンの操縦練習としても使えるので初心者の方にもオススメです。
3.3.DJI Air 2S

本格的に空撮を始める方に入門機としてオススメするドローンであり、ハイエンドモデル並みのスペックをしているのでプロの方にもオススメできるDJI Air2 S
スペックを見ていきましょう
機体 | DJI Air2 S |
重量 | 595g |
サイズ | 収納時:145×90×62mm 展開時:251×362×70mm |
最大飛行速度 | 19m/s(Sモード)、15m/s(Nモード)、5m/s(Cモード) |
最大飛行時間 | 31分 |
センサー | 1インチCMOS 有効画素数:20MP、2.4μmピクセルサイズ |
レンズ | FOV:88°、35mm判換算:22mm、絞り:f2.8、撮影範囲:0.6m~ |
ISO感度 | 動画:100~3200(オート)、100~6400(マニュアル) 10ビットDlog-M動画:100~800(オート)、100~1600(マニュアル) 写真:100~3200(オート)、100~12800(マニュアル) |
静止画サイズ | 20MP 5472×3648(3:2) 5472×3078(16:9) |
動画解像度 | 5.4K:5472×3078 24/25/30fps 4K Ultra HD:3840×2160 24/25/30/48/50/60fps 2.7K:2688×1512 24/25/30/48/50/60fps FHD:1920×1080 24/25/30/48/50/60/120fps MP4/MOV(H.264/MPEG-4 AVC、H.265/HEVC) |
小型でありながら5.4K/30pで撮影できるので、プロの方も嬉しい性能をしています。
Mini2と比べ飛行速度が速いのでモサっと感がありません。
また、様々なインテリジェントフライトモード(自動撮影モード)があるため、初心者の方でもプロのように撮影することができます。
3.4.DJI Mavic 3

民生用ドローンのハイエンドモデルといえる高スペックのドローンMavic 3。
スペックを見ていきましょう
機体 | Mavic 3 |
重量 | 895g |
サイズ | 収納時:221×96.3×90.3mm 展開時:347.5×283×107.7mm |
最大飛行速度 | 21m/s(Sモード)、15m/s(Nモード)、5m/s(Cモード) |
最大飛行時間 | 46分 |
センサー | 4/3型CMOS 有効画素数:20MP |
レンズ | FOV:84°、35mm判換算:24mm、絞り:f2.8~f/11、フォーカス:0.1m~∞ |
ISO感度 | 動画:100~6400 写真:100~6400 |
静止画サイズ | 20MP 5472×3648(3:2) 5472×3078(16:9) |
動画解像度 | Apple ProRes 422 HQ Apple ProRes 422 Apple ProRes 422 LT 5.1K:5120×2700@24/25/30/48/50fps DCI 4K:4096×2160@24/25/30/48/50/60/120fps 4K:3840×2160@24/25/30/48/50/60/120fpsH.264/H.265 5.1K:5120×2700@24/25/30/48/50fps DCI 4K:4096×2160@24/25/30/48/50/60/120fps 4K:3840×2160@24/25/30/48/50/60/120fps FHD:1920×1080@24/25/30/48/50/60/120/200fps |
ハイスペックなMavic3シリーズですが、価格と機能のパフォーマンスは使う方によってだいぶ変わってくると思われます。ご自身の映像制作環境とよく照らし合わせ、必要な機能を持った組み合わせで購入する必要がありそうです。Apple ProRes 422 HQの利用頻度が低いユーザーは「Mavic 3 Fly More Combo」に別売「RC Pro」プロポを組み合わせるという選択肢もあるのではないでしょうか
Mavic 3によって映像クオリティが上がり、新たなクリエイターが多く誕生するのは間違いでしょう。
3.5.DJI FPV

難しいと思われがちなFPVですが、DJI FPVは初心者の方でも始めやすいかと思います。
スペックを見ていきましょう。
機体 | DJI FPV |
重量 | 約795g |
サイズ | プロペラあり:255×312×127mm プロペラなし:178×232×127mm |
最大飛行速度 | 140 km/h、Mモード:39 m/s , Sモード:27 m/s, Nモード:15 m/s |
最大飛行時間 | 20分(無風で40 km/hの速度で飛行時に測定) |
センサー | 1/2.3インチCMOS有効画素数:12MP |
レンズ | FOV:150°、35mm判換算:14.66mm、絞り:f2.8、フォーカス:0.6m~∞ |
ISO感度 | 100-12800 |
静止画サイズ | 3840×2160 |
動画解像度 | 4K:3840×2160 50/60fps FHD:1920×1080 50/60/100/120fps |
DJI FPVは空撮機として秀逸な機体でカメラはチルト(上下)操作が可能なジンバルを搭載した1/2.3インチセンサー(Mavic 2 ZoomやMini 2同等)・4K/60pの高画質対応、映像ブレ補正機能「RockSteady」も搭載、映像伝送も低遅延・高画質な「DJI O3(Ocusync 3.0)」対応なので伝送範囲6km(カタログ値)の強力な伝送でリアルタイムに映像を確認しながら安全かつスリリングな撮影をすることができます。
また、これまでのDJI製品と同じく飛行を安定させるGNSS(GPS等)やポジショニングカメラ、赤外線高度センサー等を搭載しています。ですので、FPV初心者の方でも始めやすいかと思います。
4.まとめ
ドローンを購入するとなっても、高額な商品が多い為すぐに選べない方が多いのではないでしょうか。
ドローンで空撮するとしても用途や撮影シーンによって変わるので、どれを購入すればいいのかわからないと思います。
そのときは以下の3つほど求める基準を明確にすることで選びやすくなり、ご自身に合ったドローンを手に入れられるかもしれません。
・どれほどの撮影クオリティを求めるか。
・予算はどれほどか。
・どこで飛ばすのか。
ドローンの撮影クオリティに関して説明すると、山や海などの自然の中で撮影するという方にとっては、そのような場所では、風が強くなることも考えられるので、軽量なドローンよりも比較的重量感のあるモデルを選択することが望ましいといえます。
一方で、手軽に空撮を楽しみたい方は、DJI Mini 3 Proのような軽量モデルがおすすめかもしれません。
ドローンは性能が高くなればなるほど高価なもの。ドローンを購入する前に、その空撮に対してどれくらいの費用なら出せるのか、一度検討した上で機種を選択されるのをおすすめします。
また、ドローン飛行にあたっては様々な事前申請や手続きが必要です。
国土交通省が定める法の最新情報に注意しながらドローンを正しく安全に楽しんでいきましょう。