ドローン国家資格 実地試験時に気を付けること まとめ
12月5日より航空法一部改正により無人航空機(ドローン)の国家資格が開始されます。
ドローンの国家資格には「一等無人航空機操縦士」「二等無人航空機操縦士」の2種類があります。
名前から予想できるように「一等無人航空機操縦士」の方が難易度が高くなります。
ドローンの国家資格を取得する方法は2種類あります。
一つ目は「指定試験機関」で試験を受験し合格する方法、いわゆる「一発試験」です。
二つ目は「登録講習機関」でドローンの知識・操縦技術を学び、実技の修了試験を受験して合格し修了証明書を獲得したのち、「指定試験機関」で学科試験を受験し合格する方法
があります。
車の免許と同じですね。
「指定試験機関」については以下のブログに記載しているので、ぜひ閲覧して頂けたらと思います。

出典:国土交通省HP
このページでは、実地試験について解説していきます。
まず、「指定試験機関」で受験する場合、実地試験を受験する前に「学科試験」に合格してからでないと実地試験の受験資格を獲得できません。ですので、学科試験と実地試験を同日に受験することが出来ないということですね。
次に「登録講習機関」で受講する場合、登録講習機関にて規定の講習時間以上の講習を受講して、修了試験を行います。修了試験が実地試験にあたります。
因みに、試験の難易度に差はありません。
ドローンの国家資格を取得するにあたって多くの方が、一発試験で行くのかドローンスクールに通うべきなのか迷っていると思います。
私なりの判断基準は、
ATTIモード(GNSS、ビジョンセンサ等の水平方向の位置安定機能OFFの状態)での操縦に自信があり、それなりに操縦経験がある方は、「一発試験」で
ATTIモードの操縦をしたことがあるが一発試験を受けようとするだけの自信がないが、それなりに操縦経験がある方は、「登録講習機関」の「経験者」として
初心者の方、ATTIモードを操縦したことがあるが自信がない、もしくはここ半年から一年以上操縦していない方は、「登録講習機関」の「初学者」として
受験して頂くのがいいと思います。
中には、一度,ATTIモードでの操縦を練習で上達する方もいるので、一度ATTIモードでの練習をしていただくのがいいと思います。
基本的にATTIモードでの操縦は慣れていないととても難しいですので、個人で練習をする場合ATTIモードでの操縦ができる補助者を付けて行う、もしくはオーバーライドが可能なドローンを使用し補助してもらうのがいいと思います。
ATTIモードでの操縦ができるドローンをお持ちではない場合は、国土交通省に登録させれているドローンスクールであれば、費用が掛かりますが、練習ができる上アドバイスなどももらうことが出来るのでお勧めです。
実地試験は、机上試験、口述試験(飛行前点検)、実技試験、口述試験(飛行後の点検及び記録)、口述試験(事故、重大インシデントの報告及びその対応)の5種類のパートに分かれています。
5種類全て合わせて100満点となり、減点式の試験になります。
一等無人航空機操縦士の場合、80点以上で合格、79点以下で不合格
二等無人航空機操縦士の場合、70点以上で合格、69点以下で不合格
となります。
各試験科目ごとに見ていきたいと思います。(一等無人航空機操縦士の基本飛行を元に見ていきます。)
まず、机上試験は試験員が提示する模擬飛行計画を見て、飛行計画の作成において留意が必要な事項について、5問出題されます。5問すべて10分以内に回答し、不正解または未回答の場合に1問あたり5点減点される。つまり、全問不正解となればこの時点で不合格が確定されます。
次に、口述試験(飛行前点検)です。飛行空域のなどの状態や機体・機器の状態において、問題がないかを確認します。確認に漏れもしくは誤りがあった場合一つあたり10点の減点されます。
次に実技試験です。一等無人航空機操縦士の基本飛行の場合「高度変化を伴うスクエア飛行」「ピルエットホバリング」「緊急着陸を伴う8の字飛行」の3科目あります。それぞれ試験員の指示のもと飛行し、制限時間以内に飛行を終えます。制限時間を超過するだけでも不合格になるので、丁寧かつ迅速に飛行させなくてはいけません。
飛行させた後は、口述試験(飛行後の点検及び記録)です。機体・機器の状態を確認し、飛行記録の様式に記録します。点検において誤りや漏れがあった場合一つにつき5点、飛行記録の記載に誤りや漏れがあった場合一つにつき10点の減点が行われます。
最後に、口述試験(事故、重大インシデントの報告及びその対応)です。事故、重大インシデントについて該当する事態の3つ答え、事故等発生した場合の適切な処置について1問回答します。一つの誤り又は漏れにつき5点の減点させれます。
5つの試験を終えた時点で合計点が合格点を上回っていたら合格、下回っていれば不合格になります。
合格に近づくためのポイントは、机上試験と口述試験で間違えないことです。1問あたりの減点数が高く、実技に自信がない方からすると1問ミスすることが致命傷になると思います。
実技試験は会場にもよりますが、屋外でする場合もあります。その場合、風などの自然現象が突如妨害してくる可能性が十分にあり、風など込みでの試験ですが、飛行経験豊富な方でもイレギュラー対応は難しいです。そのことを考えると机上試験と口述試験で減点されるのは惜しくなります。
机上試験と口述試験は繰り返し行うことで体に身につくと思います。回答が求められるものには時間制限がありますが、点検などには時間制限が設けられていないため、時間をかけて問題がないか確認すれば点検抜けなどをなくせるでしょう。
実技に関しては、焦ることなく余裕を持って行えるようになるのが目安です。緊張で力が入り入力ミスをする方は講習をしていてもよく居られます。ドローンを扱ううえである程度の緊張感を持って頂きたいですが、操縦中に話ができるぐらいにリラックスできるぐらいになるのを目指してほしいと思います。
実技試験の項目によっては、GPSをONにした状態の飛行試験もあります。GPSをONにした状態の場合は、風への抵抗もある程度ドローンが行ってくれるので、操縦ミスがないようにしましょう。
GPSをOFFにした状態での飛行は、風や空気の流れに大きく乱されます。とても難しいですので、しっかりと練習を行いましょう。
GPSのONの状態での操縦しかしたことがない方は、必ず練習しておきましょう。GPSの有無の差は全然違います。
練習方法は以下のページから参照ください。
ブログ:できる様になっておきたい!!ドローン国家資格で必要になるATTIモードでの操縦技術の身につけ方!
実技試験を受けるにあたって、慣れて完璧になるまで練習してくる方もおられると思います。
当然、完璧にできることはいいことですが、試験では試験員の指示のもと飛行させる必要があります。
できるからと言って、次々進めてしまうと減点対象になりますので気を付けてください。
ドローンレースのようにタイムを競っているわけではないので、正確に確実に焦らず、試験員の指示のが出てから操縦しましょう。
制限時間もたっぷりとあるので焦らなくて大丈夫です。
実技試験を終えた後は、口述試験(飛行後の点検及び記録)と口述試験(事故、重大インシデントの報告及びその対応)です。
最後まで気を抜かず、やり遂げましょう。
いかがだったでしょうか。今回はドローンの国家資格の実地試験の注意点をまとめてみました。
合格できるように頑張っていきましょう。