インストラクターがドローン一等国家資格を取得した感想と取得までの流れ解説

このブログでは、インストラクター(このブログを書いている人)がドローンの国家資格「一等無人航空機操縦士」の資格取得した感想と取得までの流れを解説します。

 

試験に合格し、全ての申請を終えますと、国土交通大臣より以下の写真にある証明書が送付されます。

車の免許書と同じ感じですね。限定事項であったり、飛行させるにあたっての条件、個人情報が記載されています。
右下に国土交通大臣の判子があるのが国から認められているという感じがあって嬉しいです。

 

では、上記の証明書の取得までの簡単な流れを紹介します。

1.登録講習機関(ドローンスクール)にて座学・実技の講習のの修了審査

2.日本海事協会が行う「学科試験」

3.日本海事協会に対して申し込む各種申請

4.国土交通省に対して申し込む申請

大きく分けると上記の手順になります。

 

1.登録講習機関(ドローンスクール)にて座学・実技の講習のの修了審査

登録講習機関にて座学と実技の講習を受講し、修了審査をすべての講習が終わったのちに受験します。

一等無人航空機操縦士の修了審査は一つのミスが不合格に繋がるので、とても大変でした。

特に「修了審査の中の実技試験」です。その中でも「ピルエットホバリング」はとても難しかったです。

理由としては、「ピルエットホバリング」自体は民間の時から出来ていたのですが、国家資格で求められる「ピルエットホバリング」は難易度が上がりました。

一回転する際にかける時間が長いのが、難しい原因です。民間インストラクターでも長くて10秒ほどで一回転するのに対し、国家資格では一回転するのに15秒以上26秒未満以内で回転。

つまり、今までの2倍の時間をかけて行うのです。ピルエットホバリングは一回転にかける時間が長いほど難易度が上がるので、できるようになるのに苦労しました。

「ピルエットホバリング」は講習でも多くの時間を使うと思いますが、事前に自主練習をされておくことをお勧めします。人によっては講習時間中に終わらずに自主練習もしくは補講になる可能性があります。

一等無人航空機操縦士の実技試験はほとんどがGNSSがOFFの状態(ATTIモード)での飛行になります。当然ピルエットホバリングもATTIモードで行います。

ATTIモードでのホバリングを機首がどの方向に向いていても安定していることが一等資格の経験者コースを受講する最低限のレベルではないかと思います。←できるからと言ってピルエットホバリングが確実にできるとは言えませんが、できないとピルエットホバリングができることはないと思います。

修了審査の難関は「ピルエットホバリング」だけではありません。修了審査の初めに行う「机上試験」がなかなかの難敵です。

理由としては、座学の内容をしっかりと理解していないと難しいからです。机上試験では5問飛行計画に関して問われるのですが、一問でも不正解があるとそのあとに続く各試験でミスが許されない状況に近づきます。
一問不正解で5点の減点なので、5点ぐらいと思うかもしれませんが、2等資格の講師をしていてその5点に、ましてや1点に泣く方もおられます。
理想としては、すぐに座学試験を受験しても合格できるレベルです。そこまでできたら安心して頂いても大丈夫だと思います。

 

2.日本海事協会が行う「学科試験」

学科試験は思っていた以上に難しかったです。恥ずかしながら私は一度目は不合格で、二度目に合格することができました。

一度目不合格になった原因は、まだ私が教則の内容を理解しきれていなかったことと、問題文に慣れていなかったことだと思います。

学科試験では不合格になったとしても「何が間違っていたのか」「何問間違っていたのか」は一切わからないので、再度教則を読み返し、理解度を深めていくしか合格に近づく方法がありませんでした。

良く抜けるのが、気象関係だと思います。風一つにしても様々な風があり、各風の名称だけでなくどのような風なのかまで理解しておく必要があります。気象だけでなく、他の用語でも同じように名称だけでなく意味も理解しておきましょう。

他にも難しい問題はあるのですが、やっぱり一等資格の学科で一番苦手な方が多いのは「計算問題」だと思います。
それほど問題自体は難しくはありません。計算が得意な方からすると「公式に問題文に表示されている数字を適切な場所に代入して計算するだけ」と言ってしまうと思いますが、計算が苦手な方は「どの問題にどの公式を使ってどの数字を当てはめるのかがわからない」と言ってしまうと思います。

では、計算の苦手な方はどうすれば解けるようになるのでしょうか。
まず、教則を読みましょう。その後、教則に記載されている例題を解きましょう。例題を解く際は可能な限り電卓を使わずに計算しましょう。
その後、似たような問題をネットなどから探し出す又は、例題の数値を違う数値に入れ替えて計算しましょう。
最終的に、問題文を読んですぐに必要な公式を理解して計算を始めれるぐらいになれば、時間に余裕をもって他の問題も解けて、見直しの時間を作れると思います。

 

3.日本海事協会に対して申し込む各種申請

登録講習機関での講習及び修了審査が修了なされた後に資格取得に向けて各種申請を行う必要があります。

日本海事協会が運営する「無人航空機操縦士試験申込システム」というサイトの登録をし、以下の申請及び試験予約を行います。

・受験資格の確認

・学科試験

・身体検査

・実地試験の免除申込

・試験合格証明書の発行

上記の申請はそれぞれ7営業日近くかかると思って申請を進めることをお勧めします。

「学科試験」「身体検査」「実地試験の免除申込」は同じタイミングで申請を進めることもできますので、少しでも申請する期間を短縮したい場合は、お勧めします。

申請だけで1か月近く、申請が込み合っていたらそれ以上にかかると思っていただくようお願いします。

また、各申請の申込から7営業日以上経っても通知がない場合は、「無人航空機操縦士試験機関ヘルプデスク」へお問い合わせするようにしましょう。

申請の完了通知はサイト登録時に登録したメールアドレスに送られますので、定期的に確認しておきましょう。

学科試験の申込に関してですが、「無人航空機操縦士試験申込システム」で「試験を受ける意思」を申込んだ後、申込み完了画面または申込み完了メールに記載されているURLサイトに移動して、そちらサイトにも会員登録をして試験会場と試験日時を選択し申し込むことで学科試験申込が完了になります。
ですので、「無人航空機操縦士試験申込システム」での申込だけでは試験予約は完了していないのでご注意ください。

以下のURL先で各種申請方法をまとめていますので参考にしていただけたら幸いです。

ドローン国家資格講習修了後の手続きでお困りの皆様へ

 

4.国土交通省に対して申し込む申請

全ての試験に合格し、試験合格証明書の発行が完了すれば、あとは「DIPS.2.0」にて「技能証明書の交付」の申請を行うことで、後日、国土交通省より郵送されてきます。

この申請にも7営業日ほどかかると思ってください。技能証明書が登録している住所に届きましたら、全ての手続きが完了となります。お疲れさまでした。

 

最後にドローン一等国家資格を取得したインストラクターの感想

勉強、試験、申請それぞれ大変ではありますが、全てが完了したときの達成感はなかなかに得難いものがあります。

特に一等資格は二等資格に比べて難易度が急激に上がります。(レベル4飛行の実現のためだと思いますが)

一等資格を取得できた際は、自信をもってドローンを業務なり趣味でも大いに活用していただければと思います。

資格取得者は、ぜひまだまだドローンのこと知らない方たちに対して安全に飛行すればドローンは安全なものであることを飛行を通して、広げて頂けたらと思います。

 

本校は、随時ドローン国家資格講習を行っております。受講するかどうか判断する際はぜひ、無料説明会も随時開催していますのでそちらに奮ってご参加ください。お待ちしております。

また、本校はドローン国家資格講習だけでなく、ドローンを活用した業務も請け負っております。ぜひ、ご相談下さい。