特定建物外壁点検についての重要性

この記事の目次
調査の概要
調査対象物件
調査対象部位
打診検査と赤外線検査の調査方法
ドローンによる赤外線外壁調査
調査しなかった場合の事例
弊社でのドローン赤外線点検
調査の概要
建築基準法第12条の改正により特定建築物定期調査の定期報告にて外壁全面打診が必要になりました。
竣工及び外壁改修等から10 年を経てから最初の調査の際に全面打診等によって調査しなければならないことになりました。(平成20年国土交通省告示第282号)
建築物の安全性を確保することを目的とした制度で、構造の劣化老朽化等により大きな事故等を招く恐れがあります。こうした事故等を未然に防ぎ、建築物等の安全性や適法性を確保するために、建築基準法では専門の調査官や検査官により建築物等を定期的に調査・検査し、地方自治体に報告することを義務付けています。
調査対象物件
公道や不特定または多数の人が通行する私道等に面するタイル・モルタル等の壁面での調査が必要になります。
以下のいずれかに当てはまる物件は外壁全面調査の対象となります。
1特定建築物定期調査の部分打診、目視等により異常が認められたもの
2竣工後10年を超えるもの
3外壁改修後10年を超えるもの
4落下により歩行者に危害を加えるおそれのある部分の全面打診等を実施した後10年を越えるもの
※各地域により報告義務が異なります。(滋賀県での報告義務は現段階ではございません)
調査対象部位
建築基準法第12条では、「落下により歩行者等に危害を加えるおそれのある部分」を全面的に打診や赤外線により調査をしなければならないと規定されております。
当該壁面の全面かつ当該壁面高さの概ね2分の1の水平面内に、公道、不特定または多数の人が通行する私道、構内道路、広場を有する壁面。
但し、壁面直下に鉄筋コンクリート造、鉄骨造等の強固な落下物防御施設(屋根、庇等)が設置され、または植込み等により、影響角が完全にさえぎられ、災害の危険がないと判断される部分を除くとされています。
打診検査と赤外線検査の調査方法
調査方法としては、仮設足場等を架けてテストハンマー等による「打診調査」と仮設足場やロープ等を使用しない「赤外線調査」があります。

打診検査
テストハンマーや打診棒を用いて壁を叩いて音を聞くことで状況を調査します。叩いた箇所により、音の高低でタイルの浮きが判断でき異常が発生している場所を発見する方法です。
目視による確認や触診も並行して実施されるため、調査員の腕次第で的確に外壁状況を調査することが可能です。ただし調査員の熟練度で判断の相違あったり、足場を組むなどのコスト、高所作業での安全性のリスク、長時間の調査による判断の低下などがデメリットとして挙げられます。

赤外線検査
外壁タイルやモルタルに浮きができるとタイルと下地の間に空洞が発生し、空気の層ができることで温度変化が生じ、タイル浮き等の異常個所を赤外線カメラで発見する方法です。
足場を組んで作業を行う必要がないため、安全性が高く、低コストで実施できます。また、広い面積を調査できるので短時間で調査が済むというメリットがあります。判定は熱画像として記録・保存・再生できるため異常のあ箇所をクライアント様も一緒に確認していただくことが可能です。
ただし一般的には地上からの調査の為、高層階では精度が落ちたり、天候で精度が左右される場合があるので条件次第では調査ができないというデメリットがあります。
ドローンによる赤外線外壁調査
近年ではドローンを活用する方法が普及し、赤外線カメラ搭載ドローンでの外壁調査が注目を浴びております。
地上での赤外線調査がドローンに変わることで、より精度の高いデータを取得することができました。そして、可視カメラでも外壁の状態を確認できるため、より正確性が向上しました。

ドローン調査のメリット
1調査コストを抑えられる
足場や高所作業車等が不要なので低コストで調査が可能です。
2短時間で調査が可能
高層階の建物でもドローンを外壁に沿って広範囲で撮影ができるので比較的短時間で調査が可能です。
3精度の高い調査が可能
高解像度のカメラをドローンに搭載しており、今まで地上でしか確認できなかった赤外線での調査もドローンに搭載することで精度の高い調査が可能です。
4安全面でのリスク
調査員が高所で作業する必要がない為、リスクの低減につながります。
ドローン調査のデメリット
1天候に左右されやすい
悪天候ではドローンは飛行できないためスケジュール通りに行えない可能性があります。
2ドローンが飛行できない場所
建物との間が狭い場所等ではドローンは飛行できない場合があります。
3北面での赤外線調査
北面での壁面調査は日の当たり具合で、温度による解析ができない場合がある為、打診検査が必要な場合があります。
調査しなかった場合の事例
参照:京都新聞
ビルやマンションのタイルが剥がれ落ちる落下事故が実際どれくらい起きているのでしょうか。
・2020年7月、群馬県のマンションの外壁が歩道に落下。
・2019年10月、京都の舞鶴市役所の外壁が落下する事故が発生。
・2019年5月、神奈川県の市健康福祉センターの外壁タイルが剥がれ、施設利用者の車が破損。
・2015年大阪市でタイル落下事故が起き女性が後頭部を打ち軽傷を負う事故。
まだまだ数えきれない程の外壁落下事故が起きております。
外壁落下事故の責任所在
建築基準法では、建築物の所有者、管理者、または占有者にあると定められています。
常時適法な状態に保つために、定期的な健康診断、異常があれば修理・補修が必要です。
弊社でのドローン赤外線点検
弊社ではドローンによる赤外線外壁点検を承ります。
様々なメリットデメリットを紹介しましたが、やはりコスト面や、調査期間の短縮、精度の高さ等で、ドローン赤外線点検の需要は上昇傾向にあります。
調査内容としまして、「落下により歩行者等に危害を加えるおそれのある部分」を全面的に調査し、「外壁タイル等にひび割れ、浮き等がある」場合は要是正として指摘します。

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